何度も何度もギャンブルをやめたいと思っていても、なかなかやめれない。自分自身、ギャンブルでは勝てないこともわかっているし、財布の中のお金は大事なお金であることもわかっている。ただ、ギャンブルをやめることができない。そんな私がギャンブルをやめるために経験してきたこを紹介したいと思います。
・生い立ち

ごくごく普通の4人兄弟の末っ子として生まれました。育った家庭は裕福な方だったかもしれません。幼少期は貯金が大好きで、おこずかいをもらえば、すぐに貯金していました。普通に高校に通い、大学にも進学しました。ギャンブルを知ったのは高校卒業後。兄弟はスロットを好んで打ち、そのもの珍しさに兄弟のあとについていったのが始まりでした。その時は、それほどのめり込みもなく、ただ、たしなむ程度でした。その後、友人とたまにスロットを楽しむ日が続きました。ごくごく普通の生活、ただギャンブルは日々の気晴らし程度のものでした。
・なにが自分を変えたのか?

はじめてのギャンブルから数年が過ぎ社会人になった時、たまたま座った台が、その当時のパチンコ店のホール記録を塗り替えるほどの出玉を出したことがあります。今、思えば、それがいけなかったのかもしれません。ギャンブルで大金を手にしてしまうという、味わってはいけない成功経験がのちの人生を大きく狂わせることになってしまいます。
・根はすごく真面目

社会人になり仕事は真面目にこなしていました。どちらかといえば休日はあまり外を出歩かないタイプでした。ただこの時の趣味はスロット一色でした。食事に行くわけでもなく、観光地にいくわけでもなく、洋服やアクセサリーなどを欲しがるわけでもなく、ただスロットを打つという行為を休日に繰り返し行うのが日課になっていました。ギャンブルをする人は真面目ではないと思われる方がいらっしゃると思うのですが、私の友人は、仕事では、勤勉であり人一倍努力するタイプなのですがギャンブルを日課にしています。真面目ではないからギャンブルをするというわけでもありません。どちらかといえば、勤勉で真面目な方のほうがギャンブルにハマることが多いかもしれません。根が真面目なだけにギャンブルという作業の繰り返しにハマってしまうのかもしれません。
・家庭をかえり見ないでギャンブルの日々

結婚後、仕事のストレスからパチンコホールへと足を運ぶ日々が増えました。仕事が午後5時に終わるのに、自宅に帰るのは午後11時以降。家に帰ればギャンブルで負けた憂さ晴らしを家で行う最悪な日々でした。自分の貯金も底をつき、1ヵ月3万円というおこずかいでは足りなくなっていました。ことあるごとに会社で必要なお金であるとか、友人、同僚との付き合いのために必要なお金だと言い妻からお金をもらい、パチンコホールへ行き、早々に負けて車のなかで潜伏し、ありもしない飲み会が終わったであろう時間に帰宅するといったことを繰り返してしました。当然、自宅では妻とケンカ。毎日ケンカの日々を何年も続けていました。一番愛してやまない人なのにもかかわらず、妻を見ずに、ギャンブルで現実逃避をしていました。
・ギャンブル依存症専門の医療機関に入院

大事なお金を使い込み、もうどうにもならないということで熊本県の精神病院へ入院することとなりました。自宅から約1000キロ離れた病院です。自宅へ帰りたくとも帰れない、脱走したくても所持金がないので帰れない状態での入院でした。心のどこかでは納得がいっていない、怒りさえ覚える状態での入院でした。今、振り返ってみれば、貴重な経験をしたと思います。この経験がなければギャンブルをやめたいと思うこともなかったように思います。入院生活は規則正しく、朝食をとってから、ギャンブル依存症治療のためのプログラムを受けます。昼食後も同じくプログラムを受け、夜間は施設建屋外に出ることができないため、当時、たばこを吸っていた私は、吸いだめをし、なるべく早く寝るように心がけていました。プログラムでは、ギャンブル依存症の当事者が集まり、ミーティングを行います。1つのテーマにそって語りっぱなしのミーティングです。ただ、このミーティングがギャンブルをやめるのに一番効果があったように思います。
・退院後のスリップ(再びギャンブルをすること)

結局のところ、入院してもギャンブル依存は治りませんでした。ミーティングに繋がり続けなければ意味がないのかもしれません。ただ一番ひどかった時に比べ、ギャンブルをやめたいと思うことは増えました。何度も何度もギャンブルをやめることに挑戦し、思ったのが、今日一日ギャンブルをしないことを繰り返すということでした。とりあえず1ヵ月ギャンブルをやめると決めていても持続しないためです。ギャンブル依存は1人ではなかなか克服できない依存症であると思います。
・その後

一番最悪であった時に比べギャンブルへの興味は以前ほどなくなりました。あれだけパチンコやスロットへの欲求があったのに、冷静に負けるだけのものと思いとどまれるようにもなりました。私だけなのかもしれませんが、タバコは普通にやめれたのに、ギャンブルへの欲求は少なからずあります。ただ、タバコをやめたこともあってか、財布には以前よりも、お金があることが増えました。あれだけ財布の中身がなにもない状態だったのに、コンビニで募金することができるくらいの心の余裕を持つことができました。
・最後に
自分の経験が、なやんでおられる当事者やご家族の方が変わるキッカケになれば幸いです。私は病院退院後もスリップ(再びギャンブルをすること)に悩まされましたが、各地で開催されているミーティング等に参加し、以前よりもギャンブルへの欲求を抑えることができるようになりました。私の家族もそうでしたが、本人以上に家族の方が悩んでおられることがあると思います。もし現状を変えたいと思うのであれば、当事者といっしょに一度、医療機関やギャンブル依存症のミーティングなどに参加することを強くオススメします。ギャンブル依存症にかかっていることは決して恥ずかしいことではありません。誰しもがなりえる依存症のひとつです。自分自身を変えていくために、まず一歩を踏み出しましょう。